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旅するように暮らそう!

そして、生活するように旅をしよう!起業家、岩佐大輝の記録。

社長の仕事

長年の付き合いのある飲食業の社長とお話しをする機会があり、相談を受けました。
社員と給与の交渉で大変だとの事。その会社は5店舗の大きな箱で経営していますが、毎月、粗利益で過去最悪を更新しているようです。


話を聞くと本当に大変です。社員一人当たり35万そこそこの粗利益を出していないのに、平均給与が25万overなのです。それでも社員からは給与の不満が絶えず、資金繰りに追われる社長にはもはやどうすることもできないとのこと。会社の詳しい中身はわからなかったので、何とも言えませんが、借金が増えるだけなので、早々に会社をたたむ準備を始めなくてはなりません。

そこまで行くと、もはや経営している意味はなくなります。労働分配率が40を超えてくると、もはや利益を出すための集団というよりは従業員の雇用維持と社会インフラのためのボランティア組織になり、大抵の経営者は借金を大量に抱えているわけですから、それを担保することもできなくなり自滅します。


<労働分配率による経営体質の判断テーブル>
  ・30%以下 --------------> 優(上場企業においては最低レベル)
  ・30~35%未満 ----------> 良
  ・35~40%未満 ----------> 普通
  ・40~45%未満 ----------> やや不良
  ・45~50%未満 ----------> 不良
  ・50%以上 --------------> 劣


経営者としては人件費の伸び率よりも粗利益の伸び率が高まるようにする努力をしなくてはならないのですが、例えば完全歩合制の会社などは、一度その仕組みが定着してしまうと、人件費率を下げながら人件費自体を増額させるということができなくなり、自滅してしまうこともあります。その結果、いつの間にか労働分配率が実態の儲けの率を上回ってしまう場合が多い。

対して、社員の不満もよく分かります。社員としては労働の対価として、報酬を議論するので、よほど経営を理解している社員、あるいは経営者に近い社員でなければ、労働分配率から給与を考えるということなどするはずもなく、労働対価に対して安ければ、不満が出るのは当然です。そのあたりをわきまえているかそうでないかが幹部社員を選ぶにあたって重要だということになりますが、一般の社員にそれを強いるのは酷です。

両者相容れられる制度を早い段階で構築しなくてはなりません。

また、同じく、社長の報酬と比較されて社員が給与が高すぎるだとか社長が高すぎるだとかそういう話題です。そのような議論もそもそも無意味です。

なぜなら社長の給与というのは経営責任報酬でり、借入金を含めた経営責任を十分に担保しえる額でなくてはなりません。そして未来の増資分も必要です。よって実際に報酬をもらえなくても額面だけは常に最大化させる必要がでてきます。(実は当社も現金ではなく、私への給与未払い分で増資しており、売り上げ規模、実際に私が得ている報酬の実質額と比べると額面は非常に高額に設定されています。)
売上高1億円の会社が当期純利益を1000万(売上高比率10%)を残すためには、税金を考慮すると2000万円も経常利益を出す必要があるのです!!(ひと月166万円です。)これは至難の業。

このような問題はどの中小企業でも必ず起こりえることで、いつでも経営者の悩みのトップを占めま。経営者は社員の生活と会社への貢献を案じ最大限の配慮をして最大限の給与を払っています。社員は社員で会社を思いその将来を思い、最大限の努力と忠誠を尽くすのです。

大事なのは、会社を良くしたいと言う気持ちはみんな同じだということなのです。ただそれだけなのに、立場によって主張は異なり、時に感情的なトラブルになります。これがなんと辛いことか。
D・カーネギーが著作の中で言及していました。
人間は、理性と客観性に満ち溢れているように見えるが、殆どを感情の海で生きていると。

そうなると、何が必要か。やはり、この飲食を例にしても、経営者と社員が徹底的に議論して、労働分配率の適正化を進めていくしかありません。社長は断固たる意思でそれを実行しなくてはなりません。(飲食の彼の場合は創業者ではなく2代目だからさらに辛い)

経営者は、経営者自身の利己欲はすべて社員に見抜かれていると思ったほうがいいですし、社員は自分自身の勝手さはすべて経営者に見抜かれていると思ったほうがいいのです。常に他利を第一とすることです。しかし、大抵の場合、両者がベストを尽くしているのです。

さて、当社はどうかというと、もちろん同じような問題があります。給与問題が何となく落ち着いたことは一度も無く、常にそれに疑問を抱き、最適化を試みています。

その中で常にベストを尽くしてくれる社員には本当に感謝なのです。








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Author:岩佐大輝

1977年、宮城県山元町生まれ。株式会社GRA代表取締役CEO。日本、インドで6つの法人のトップを務める起業家。 詳細はこちら≫

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