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【Yahoo!ニュース】TikTokで大ブレイク「沖縄のバナナおじさん」が切り拓く新しい農業のスタイル

黄色いバナナハットで迎えてくれたのは「沖縄のバナナおじさん」こと林誠さん(以下まこやん)。バナナ栽培をしながら自身でバナナスムージースタンドを経営するまこやんは、”土に埋まっちゃう”面白動画でも大人気なバナナ農家さん。異業種から農業に飛び込んだまこやんのこれまでとバナナ農家として新しいスタイルを追求する理由を語ってもらいました。
「沖縄のバナナおじさん」こと林誠さん(以下まこやん)

岩佐)早速だけど、まこやんはいつからバナナ農園を始めたの?

まこやん)バナナ農園を始めたのは5年くらい前。その前は鉄筋のガス圧接をする建設業の社長をやっていたんだ。バナナ農家に転身した理由は、それまで僕がやっていた建設業では従業員さんたちを安定して支えていくことは難しいなと感じたから。それまで僕がやっていた建設業の仕事はスポット業者で、一週間で1回、2回しか現場に入らない頻度で仕事をするんだ。だから結構な数の現場を抱えるんだけど、それでも忙しい時期と暇な時期の波があって、これからの建設業を考えるとやっぱり職人さんを養うにはリスクが大きいなと感じていたんだ。だから、他に横支えになるような仕事がないかなって考えてた。そこで転機になったのが野村総合研究所が主催した「琉球イノベーションプログラム」、そこで「革新者」として登壇してくれた大輝ちゃん(岩佐)と会ったよね!

岩佐)なつかしい!

まこやん)そうそう!そのとき僕はウェーブプールを沖縄につくる話をしたんだけど、金融投資家相手にファイナルまでプレゼンをして、半年間の長いプログラムが終わったんだ。半年間かなり熱量をかけて取組んだんだけど、なんだかそこで「結局何も動かなかったな」っていう気が抜けた感覚になって。そんなとき、琉球イノベーションプログラムが終わると毎回飲み会があったでしょ?その飲み会の場で「林さん、バナナ熱いよ」って言ってる人がいて、それを思い出したの。早速その人に電話したら、紹介できる人がいるよ、と。そこで中部にいるバナナ博士を紹介してもらい、そのバナナ博士から「バナナはそんなに手がかからないから良いんだよ」ということを教えてもらったんだ。

林さんの農場(沖縄県豊見城市) 著者スタッフが撮影

沖縄でバナナ農家が育たない理由
岩佐)実際やってみてどうだったの?バナナは本当に手がかからないもの?

まこやん)かからない!植えて活着したら、ほぼ草刈りだけ。肥料も人によってはあげる場合もあるんだけど、全くあげない人もいる。僕の場合はちょっとあげるだけ。基本的にあんまり肥料をあげなくてもちゃんと実がつくんだよね。

岩佐)そうなんだ。バナナ素人から見て気になるんだけど、台風は大丈夫なの?バナナって木というより草みたいでしょ?これに台風が来てボコボコ倒れたら大変そう。

まこやん)まさにそう。僕が博士に「沖縄ではバナナは露地栽培できるのに、何でバナナ農家が育たないんだろう」ってことを聞いてみたところ、そこには三大原則というものがあるらしいんだ。一つ目は病害虫、二つ目は出口(売り場)、三つ目の極めつけが台風。バナナの葉っぱは扇の形をしていて、ただでさえ風が吹くとそれを受けてボキッと折れてしまうくらいの弱さがある。普段の風なら大丈夫なんだけど、台風が来るととにかく一発でやられてしまうんだ。

岩佐)そうだよね。その点、僕たちがよく食べる普通のバナナとまこやんのバナナは違うの?

まこやん)みんながよく食べているバナナはフィリピンで作られている「キャベンディッシュ」と呼ばれているものが一般的。僕が育てているのは「アップルバナナ」っていう品種。これはまず病害虫に強くて、出口も市場に卸すだけでなくて、ECだったり個人販売もできる。市場に卸すだけだと、バナナの収穫時期は大体似たり寄ったりだから、収穫時期にはモノがたくさん出てきて市場価格がどーんと下がってしまうよね。だけど個人で販売することによって、自分の希望する価格に近づけることができる。台風被害については非常にハードルが高いんだけど、僕が今までやってきた建設業のノウハウがあれば、例えば施設設計の工夫なんかで対策ができるんじゃないかと思ったんだ。

なぜ六次産業化に突き進んでいるのか
岩佐)なるほど。今の話を聞くと、まこやんのビジネスは作ったバナナを市場に売ってしまうのではなくて、独自の販路を持っているということが特徴の一つだよね。

まこやん)そう。僕は最初から六次化でやろうと決めていたんだ。例え良い品目のバナナであっても、市場に卸すとそこに農家さんが群がってみんな作り始めたりしてしまって、その品目の価値が下がってしまう、ということが起こるんだよね。だから僕は最初から六次化でいこうと思った。自分たちで栽培・収穫・加工販売まですることによって、他の農家さんたちと競合にならないし、もしも他の農家さんから「まこやん、うちのバナナ買い取ってくれない?」と話がきたとしても僕が持ってる販路で売ることができるメリットもあるんだ。

岩佐)例えば誰か「沖縄でバナナやりたい」って人がいたとして、まこやんが苗を分けてあげて、収穫できたら全量買い取る、みたいなこともできるってことなんだ。

まこやん)そうそう。それができると、自分でバナナ栽培しながら他の人にも同じバナナの作り方を教えるってこともできるようになるよね。

岩佐)それはいいね。まこやんはどんな売り方をしているの?

まこやん)読谷に「OLD CORNER STAND」っていうパーラーと「スパンキーJr」っていうフードトラックがあって、そこで売っているんだ。スパンキーJrは、今は「BANZAIバナナ」っていう名前でやっているよ。

なんで「BANZAIバナナ」かっていうとね、BANZAIって英語圏でも通じる言葉だし、僕と大輝ちゃんはサーファーだけど、パイプライン(波がブレイクしてパイプ状になる)を滑るとき、両手を上げた状態でフリーフォールするみたいになるから「バンザイパイプライン」っていうでしょ?だからBANZAIってめっちゃかっこいいと思って(笑)

しかも、僕は高校卒業した後に千葉の勝浦に行っていたんだけど、そこで僕のボスだったウェットスーツ会社の社長がいたんだ。そのボスは3年前に亡くなったんだけど、形見としてもらったパイプラインマスターズのオフィシャルキャップに「BANZAI PIPELINE PRO」って書いてあったの。それを見て「これはメッセージだ!」って。だからBANZAIっていう名前をつけたかったんだ。

「BANZAIバナナ」ブランドのバナナスムージー 著者撮影

岩佐)それは思いが詰まった名前だね。

さて、バナナ栽培から販売まで自ら取り組みながら農業を始めたまこやん。実際にやってみて難しいなと思ったことはあった?


創業直後のコロナ禍で絶望を経験する
まこやん)バナナ農園を始めてすぐにコロナになったのは強烈だったなあ。バナナの味自体にはめっちゃ自信があったから何もしなくても美味しいことは十分分かっていた。スーパーに売っているバナナとは全然味が違うし、「アップルバナナ」っていうかわいい名前でしょ?絶対に観光のお客さんたちも喜んでくれるかなと思っていたんだ。それなのにコロナになって、まずお客さんが来ない。最初にやっていたパーラーはガラという場所にあって、そこは観光色が強い場所なんだけど、ほぼほぼ人が来ない状態になった。そんな中だったけど去年の8月に補助金の申請を通して、フードトラックを買うことができたんだ。そのトラックは観光客がいる南部で出店しようとなってそこで始めてみたんだけど、オペレーションも何も分からなくて最初の3~4か月は苦しかった。やっと今年に入ってからお客さんが戻って徐々に売上も上がるようになって、これだったら何とかいけるかな?と分かってきたのが今現在なんだ。

岩佐)コロナを乗り越えてサステイナブルに商売が継続できる状態まで辿り着いたんだね。今後はどうやって拡大していきたいなどビジョンはある?

まこやん)やっぱり「僕から買いたい」というお客さんを増やしていくこと。沖縄にはバナナジュースを販売しているところは結構あって、しかもアップルバナナを使っているところもある。そこでどうやって差別化をしていくか考えていったときに「僕から買いたい」とお客さんに思ってもらえるようになりたいと思ってるんだ。”なんか変なおじさんがバナナを売ってる”ってね(笑)そんなおじさんのところにバナナジュースを飲みにいこうって思ってもらえたら面白いかな、ということで、TikTokを始めたりしてるんだ。

岩佐)まこやんのTikTok、バズってるよね!3万回以上再生されているのもあるよ。

沖縄のバナナおじさんTikTokから

まこやん)そうなんだよね。TikTokなんかを通して僕の活動を発信することで「バナナおじさん」としてのイメージを付けてもらえたら、おのずとバナナのPRにもなって商品も認知してもらえるようになるんじゃないかなって思っているんだ。それが今目指していること。

「BANZAIバナナ」のキバナナスムージースタンドにて 左:林さん 右:岩佐 著者スタッフが撮影

岩佐)最後に、バナナに対するまこやんの思いを聞かせて!

まこやん)それはやっぱり「バナナで子供たちを笑顔に」!それが会社のミッション。子供たちが元気だと、おのずと大人も元気になる。バナナで沖縄を黄色く元気にしたいって思いながらいつもバナナを作っていきたい!

(おわり)

<沖縄のバナナおじさんTikTokに続く>

今日はイチゴワールドに来てくれてありがとう!


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【GRA】経済産業省:企業単体版オープンファクトリー事例集にご紹介いただきました!


「オープンファクトリー」とは、ものづくり企業が生産現場を外部に公開したり、来場者にものづくりを体験してもらう取組であり、従来から工場見学やツアーといった形態で実施されてきました。
弊社はその中における、企業単体で行っているオープンファクトリーとしてご紹介いただいております。
公開ページ: https://www.kansai.meti.go.jp/.../openfa.../openfactory.html
事例集データ: https://www.kansai.meti.go.jp/.../singlejirei/set_ver3.pd

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【GRA】ElevationSpace・GRA・ヘラルボニー・東北コットンプロジェクトの 4 者共同、“宇宙”で東北活性化へ


東北大学発の宇宙ベンチャーElevationSpace さまが 2021 年に実施したクラウドファンディング「名産品を載せて、東北の民間企業初となる人工 衛星を飛ばしたい!」が目標額達成をされ実施される本プロジェクト。
2025 年に打ち上げられる人工衛星「あおば」に、東北”ゆかりの品”として「ヘラルボニーの社名原典」「綿花」「ミガキイチゴ」が搭載され、地球をバックに記念撮影をするという、何ともロマンチックなプロジェクトです!
ミガキイチゴはフリーズドライしたイチゴをシリコーン加工していただいたものが、「あおば」へと搭載されます🍓
宮城県山元町発のミガキイチゴが、これまで踏ん張ってきた方々や、思いを寄せて頂いた方々、東北のこれからを作る方々を勇気づけ られるような"流れ星"となれるよう我々も「願い」を託したいと思います。
2025年の打ち上げ、どうぞお楽しみに!

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岩佐大輝

Author:岩佐大輝

1977年、宮城県山元町生まれ。株式会社GRA代表取締役CEO。日本、インドで6つの法人のトップを務める起業家。 詳細はこちら≫

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