2013/03/22
GRA、インドもイチゴ!?(2)
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GRA、インドもイチゴ!?(2)
それにしても、インドはいつ行ってもびっくりすることばかりで、高速道路をゾウさんが逆走してきたりとか普通だ。田舎も好きだけど個人的にはデリーやムンバイそしてコルカタの雑踏が好き。インドの魅力は多様性にあり。ほんといろんな人がいる。蛇つかいのおじさんとか、特に味わい深い。
さてイチゴの話。インドのイチゴは露地栽培がメイン。南インドでは、11月に定植し5月位までに出荷のピークを迎える。品種はほとんどがカリフォルニア品種。最近ではイタリア品種も多い。

農村のおばちゃんたち(2013.03.21岩佐撮影)
イチゴは仕事のほとんどがどうしても手作業。インドの農村労働者のほとんどはおばちゃん。朝から夜遅くまでほとんど休むことなく、日本のようにきびきび作業してパッと切り上げるという概念はなく、とにかくゆったりだらーっと作業が続く。話すこともしない。本当にご苦労様なことだ。この人たちの収入は驚くほど低い。一日数ドル。イチゴの末端価格から逆算すると、どっかで誰かががっぽり儲けているか、生産から小売りまでの歩留まりが低いかどっちかだ。答えはその両方。
コスト構造をイチゴ農園のオーナーに聞いてみると、人件費25%、種苗費20%、組合費が10%残りが利益とのこと。日本と一概には比較できないが、人件費率はかなり低く日本の半分。種苗費が意外と高く、もちろん暖房費はない。

グリーンハウスからジャイナ教寺院を臨む(2013.03.22岩佐撮影)
グリーンハウスからはジャイナ教の寺院が見える。ジャイナ教の寺院にいる教組は下半身を露出しているらしく、僕らはこれをちんちん寺と呼んでいる。一度教組に会いに行ったことがあるがあいにく不在だった。

11月下旬に行われた定植作業に村の皆さんをお招きし、駐在員のGRA鶴巻が身振り手振りを交えながら指導した。収穫の春を祈りながらの作業。鶴巻は2013年3月15日で任期を終え、帰国した。彼の仕事はエクセレント。圃場に入って一発でわかる。整然と整理されており、無駄なものは一切ない。鶴巻でなくては、この第一タームは乗り切れなかったと確信した。お疲れ様でした。

古いジェネレーター
このプロジェクトでGRAは施設の設計、建設、栽培など営農に関わる部分を担当している。それこそプロダクトの部分なので失敗したらすべての計画が台無しになる。インドの電力は不安定で、一日に何度も停電し、長時間の計画停電もある。電気の安定供給は生命線。2011年の東日本大震災でも、電力が来ないために沢山の作物が凍え飢えた。インドではそれに対応するためにジェネレーターが必要だった。最初にオーダーして届いたのが上の写真。冷戦前の代物じゃないかこれは。これでもないよりは随分ましで新しいジェネレーターがくるまでの繋ぎ以上の役割を果たしてくれた。

新しいジェネレーター
それにしても、本当に収穫できるのか・・・・。実がなるまで誰もわからん・・・・。理屈で攻めるしかない。
次号に続く